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松風をまちわびて

刀剣乱舞のプレイ感想ブログ

同田貫正国を観に、塚本美術館を訪ねる

 タイトルの通り、今回の記事はプレイ感想ではなく、実物の刀剣を観に行った感想になります。

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 個人的な事情で今週末から忙しくなり、今までのように平日休日昼夜問わず遊び呆けることが難しくなります。その前になにかしておきたいと考え、思い立ったのが刀剣訪問。そして初めて観に行くのならやっぱり同田貫正国がいい、ということで塚本美術館を訪ねました。

 


 

 千葉県佐倉市にある塚本美術館。地元実業家の故塚本素山氏が収集した刀剣類650点の中から、約20点を展示しています。現在は同田貫正国の他、メイン展示「来派を中心とした山城伝」にて、蛍丸・明石国行・愛染国俊を作った刀工たちの作品が観られます(3月19日(土)まで)。時代の流れとともにそれぞれの特徴をじっくりたっぷり堪能できる、私のような刀剣初心者におすすめの展示でした。

 

もくじ

 

 

無料でたっぷり楽しめる

 塚本美術館は落ちついた佇まいの小さな美術館です。建物に入ってすぐ脇に記帳用の机があり、住所と名前さえ記せば入館料は無料です。その後、階段を上った先の2階部分が展示スペースになります。

  なお、写真撮影とブログへの掲載は、係の方に確認して許可を頂きました。掲示等はされていないので、入館時に確認した方がいいと思います。

 

 今回展示されている刀は、

メインテーマ「来派を中心とした山城伝」

  • 刀   来国行
  • 刀   来国俊 
  • 太刀  了戒  
  • 刀   来国長
  • 刀   延寿国時
  • 刀   肥前忠弘

「各時代の名作」

  • 太刀  古青江正恒
  • 短刀  相州貞宗
  • 刀   関兼定
  • 刀   津田助直
  • 刀   同田貫正国

以上の11振。他にも作刀に必要な資材や道具などが展示されていて、とても充実した内容となっています。繰り返しますが、入館料は無料です。

 

 早速メインテーマの来派から紹介します。なお、私の刀剣知識は「刀種の名前は知っているけどその特徴はよく分からない」レベルなので、詳細はご容赦くださいませ。そのレベルの初心者でもとても分かりやすい展示でした。

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 やはり最初は来派の祖・国行の作品から。すらりとした繊細さがあり、どことなく品を感じさせます。

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 続いては国俊の作。刃に焼かれた刃文は、直刀(刃先に沿ってまっすぐ)と丁子(花の蕾を並べたように乱れている)が交わっているそう。どれか一種類でなくてもよいことに驚き。

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 ただ…どこで交わっているのか分かりませんでした…残念。

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 国俊と同時期の刀工の作で、太刀といっても小太刀という、約60cmの短いもの。先の2振にも通じますが、しとやかな印象の美しい佇まいです。

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 一方こちらの作品は、刀でも70cm近くの大振りで身幅も広く、美しくも力強さを感じさせます。南北朝期の特徴だそうです。

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 延寿派は来派を学んだ後に、肥後の菊池に移住した一門。そして同田貫はこの延寿派の末流とされているのです。刀工たちの業はこうして脈々と続いていくんですねぇ。

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 よく見るとハバキ?の部分に鳥の姿が。思いがけず可愛らしい。

  • 刀 (太刀銘) 備前国近江大掾藤原忠弘 [江戸時代・17世紀]

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 こちらも来派の作風を継承した備前の一門の作品。反りが浅く、また刃文も直刀。力強さと清らかさを兼ね備えた印象でした。

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  梵字と法具?のようなものが彫られています。

 

 続いては各時代の名作。

  • 太刀  正恒(古青江) [鎌倉時代・12世紀]

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  他にも増して私が映り込んでますね…すみません…

 青江派の中でも、鎌倉時代中期までのものを古青江と称するのだそうです(数珠丸恒次も古青江)。また古備前派の正恒とは別人なので注意が必要です。優しげな印象の太刀。

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 今回唯一の短刀。物吉貞宗と同刀工の作になります。薄く(という表現が適切なのか分かりませんが)持ち手の部分である茎も短く、繊細な刀に見えました。

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 刀剣乱舞の和泉守兼定は十一代か十二代の作ですが、こちらは歌仙兼定と同じ二代目によるもの。全体のバランスが一番好きな刀でした。

  • 刀  津田近江守助直 元禄六歳二月日 [江戸時代・1693年]

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  「濤乱刃(とうらんば)」とは、打ち寄せる波を表現した刃文で、摂津の名工・津田助広が創始しました。弟子の助直はその濤乱刃を最も良く継承しているそう。確かにゆったりとしたきれいな刃文です。

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  ついに同田貫正国!いままで時代が下る順に展示されていましたが、この同田貫正国は最後に配されていました。公式サイトに「多くの御要望にお答えして」とあるので、配慮してくださったのでしょうか。

 さておき。

 美しい。大変にうつくしい。他の刀剣と比べると確かに華やかさはありませんが、その佇まいは対峙するものに緊張感を強います。実戦刀ならではの頑丈さがある一方で、無骨な荒々しさは感じませんでした。

 

 他にも作刀工程や拵の部分名称の紹介などもあり、刀剣について分からない私でもたっぷり楽しめました。

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落ちついてゆっくり観られる

 同じ刀剣初心者に強く推したいポイントはここ。

 私は平日の開館30分後に伺ったのですが、入館時の名簿にはすでに数名分ほど書かれていました。この人数ならゆっくり観られると展示スペースに行ったところ…一人もいない!そして私がじーっくり1時間かけて堪能している間も、誰も来ることもなくのんびりと拝見できました。

 トーハクをはじめ大規模な展示となると、審神者の皆様も含め大勢の方が訪れます。混雑していてもタイミングを計ればじっくり観れますが、後ろに待つ人がいると忙しないと感じることもあるかと思います。

 その点、塚本美術館では急かされることなく1点1点を堪能できました。私のように、展示順にながめ、今度は逆順し、さらにお気に入りの刀剣を嘗め回す…というのももちろん可能です。係の方は基本的に1階にいらっしゃるので、人目も気になりません(が、マナーと節度は守りましょう)。

 特に知識のない初心者ですと、すぐに鑑賞ポイントが分からないことも多く、さっと素通りしてしまうのはもったいないと思うのです。

 

初心者用の解説書も貰える

 さらに、さらにです。たっぷり大満足で退館しようとしたところ、係の方から解説書を無料で頂けました。何度も何度も言いますが、入館料は無料。そして解説書も無料。なんと有り難いサービスでしょう。ご厚意で頂けるもののようです。

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 この解説書では、各時代の特徴や名工・名刀、用語解説などが46ページにも渡って説明されています。小学5年生でも理解できるようにやさしい表現にした、と書かれていますが、大人でも十分満足できる内容となっています。

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 写真は塚本美術館所蔵のものだけでなく、たとえば山姥切国広などの名刀もたくさん載っています。これを読んで勉強してから、さらに他の詳しい書籍を買い求めるのも大いにありではないでしょうか。

 展示のメインテーマは3ヶ月ごとに変わるそう。今度はもう少し知識を得てから再び訪れようと思います。

 

周辺のおすすめスポットなど

 近隣には佐倉城址公園国立歴史民俗博物館もあり、併せて訪れるのも良いと思います。私が行った頃はちょうど梅が見ごろの時期でした。桜かもしれません…。

 おみやげには蔵六餅本舗木村屋がおすすめです。求肥の入ったあんこたっぷりの蔵六餅。

tabelog.com

 

公益財団法人 塚本美術館

  • 住所  :千葉県佐倉市裏新町1-4
  • 電話  :043-486-7097
  • 休館日 :土曜・日曜・月曜・祝日、年末年始、3月下旬(但し、毎月第三土曜は開館し、臨時に休館することもあり。)
  • 開館時間:10:00 - 16:00
  • 入館料 :無料
  • アクセス:京成本線京成佐倉駅」から徒歩10分
  • 公式サイト